文科OB天下り先に業務委託 理研など年10億円(産経新聞)
文部科学省所管の独立行政法人「理化学研究所」(理研、埼玉県和光市)など複数の系列法人が、同省OBが社長を務める人材派遣会社に年10億円以上の業務を委託していたことが3日、関係者への取材で分かった。少なくとも理研分は平成21年度まで大半が随意契約で、2法人との取引だけで同社の売り上げの6割強を占めていた。委託費は、同省からの交付金などで支出されており、公金を使った天下り先企業“丸抱え”の構図が改めて浮かんだ。
文科省OBの天下り企業をめぐっては、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)の運営財団でも同様の委託実態が発覚している。
問題の人材派遣会社は、東京都中央区の「サイエンス・サービス」。民間信用調査会社によると、昭和58年10月設立で、平成21年3月期の売り上げは15億5700万円だった。取引の割合をみると、理研が51・6%で最も多く、同じ文科省系の独立行政法人「放射線医学総合研究所」(放医研、千葉市稲毛区)が10・7%。
現在の社長は旧科技庁出身で、放医研にも在籍。その後、文科省系の複数の財団法人や独立行政法人を渡った後、同社へ再就職した。現社長以外にも、過去に同省OBが社長や役員を務めており、事実上の天下り先となっている。
理研によると、委託業務は毎年4月に発注し、20年度の同社との契約実績(複数年を含む)は約10億4千万円。このうち約8億5千万円が労務者派遣業務だった。理研側は「特定企業にしかできない業務との認識はなく、取引は競争性に基づくものと理解している」としているが、労務者派遣契約については22年度以降、随意契約から一般競争入札に切り替えたという。
産経新聞はサイエンス社にも文書で取材を申し入れたが、返答がなかった。
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理研によると、委託業務は毎年4月に発注し、20年度の同社との契約実績(複数年を含む)は約10億4千万円。このうち約8億5千万円が労務者派遣業務だった。理研側は「特定企業にしかできない業務との認識はなく、取引は競争性に基づくものと理解している」としているが、労務者派遣契約については22年度以降、随意契約から一般競争入札に切り替えたという。
産経新聞はサイエンス社にも文書で取材を申し入れたが、返答がなかった。
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